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戦後80年、忘れてはならない歴史があります。
敗戦の瓦礫を積みて炊ぎたる水とん汁に入れたる野蒜
馬場あき子
焼夷弾逃れて泥田に沈みおりし母の背中の乳飲み子夫は
多田智恵子
迫り来る闇と敵軍 弟の手を曳き逃げた八月九日
髙橋素子
水漬く屍草生す屍名が立てば歩き出してくニライ世(ゆ)までも
山口德誠
同胞の刻銘毎年撫でに来る父に今年は杖と補聴器
島袋香代子
三十三歳の父に父母あり若き妻五人の子あり無念の戦死
山岸美江
疎開から戻る水戸の街焼け野原幼心に敗戦を知る
田山神無月
征戦は聖戦と説く青春を捧げし友ら三日月となる
中村淑子
青春の魂こめてつくつてた風船の和紙いまにかなしい
蛭間節子
戦死者の家という表札下げられて戦死は名誉と国は強いていた
田村広志
※ ( )内は前の語句のルビ
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