告知板
ホーム
概要&入会案内
今月の内容
さくやこのはな
かりん作品抄
時評
ライブラリー
リンク
会員ひろば
かりんネット歌会
お問い合わせ
 
 
 
齋藤 英明 選  2022年08月号

確かな時間を捉えた歌を選びました

本当は詩心ありし母だつた新ジャガを毎朝サラダにしつつ
前林道子

〈倫理淵〉に羽虫の死骸渦をなす渦重なりてもなお澄まずいる
丸地卓也

かたまれる蜂蜜すくふ感触にさをだけ売りのねばる声ゆく
斉藤幸子

前向きな秒針で時を刻みつつミーアキャットがつぎつぎに立つ
谷川保子

いくさをへた年の九月に銭湯でぢぢの背中を流したことも
加藤裕司

紫陽花の群なす中を電車来るただ一輌が揺れもて走る
橋本武則

跡継ぎはいないと言いて仲買は椰子の樹すばやく値踏みしており
平野淳子

壁にもたれどぼとぼと聴く雨音は開ききりたる心とも思ふ
霧島茉莉

僧ひとり天狗となつて消えた山ささやくやうに滝落ちてゐる
梅内美華子

瓦屋根に蔦の絡まる蔵ありて看板見れば質屋なりけり
関口ひろみ