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光と闇を見つめました。
やさしくて素敵な人を語らうにゆっくり動く晩秋の陽が
佐波洋子
名月は発光体に非ずしてあなたも誰かに照らされている
芳山三喜雄
曼珠沙華むらがりながらわが夜目の利かざる夜を咲いていたりき
酒田 現
うつし世に線香花火ひらく宵ほのあかり点す隠り世あらむ
長谷川典子
夕暮れの公園灯にブランコは同期せぬまま揺れ続けおり
栁本英樹
これからも会わない人らと分かち合う映画館の甘い暗がり
かしたにみかこ
ひとときの死もよすがにて荒ら屋の庭を照らせる秋の夕暮れ
齋藤英明
誰を待つ藪の入り口夕闇に手招くごときカラスウリの華
坂田弘美
夕刻の陽のやわらかきこと 運動会のはちまきはいつも彼岸花の色
夢野ももよ
火球となつて夕陽を反す公園のもみぢを見しが帰り来にけり
馬場あき子
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