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佐山 加寿子 選  2021年9月号

光景が浮かんでくるような歌を選びました

少女らが透明の傘で群れてくるこの傘が一番似合ふ中三のからだ
馬場あき子

蟬しぐれ激しき樹下のせみの穴くわこからつづくしづけさありぬ
渡辺松男

すぐに死ぬ光のような微炭酸いくつもいくつも上だけ目差す
谷川保子

ひとすじの午後の陽射しがパドックの尻を照らせりこの馬に賭ける
小松佳奈

色褪せたわれとおんなじスピードで廻るブルーマーブルあざやかに瑠璃
橘 まゆ

天頂を夜半の星ひとつ通るとき白きタクシーをわれは拾いき
東山研司

なんじゃもんじゃ白く零れる夏空を駆け抜けてきたあなたの訃報
平山繁美

真闇より取りいだすとき風鈴の裡をあふるる夏の産声
辻 聡之

あめのなか吊り橋のように濡れている線路沿いの夜道をあゆむ
中山洋祐

アンブレラくるくるまわし恋なくもむかし雨の日ひかっていたり
赤星千鶴子