|
|
|
|
|
|
ある時間・時代を象徴しているような歌を選びました。
経済や天然資源を語る口 その口に放り込む死者のまなこを
梅内美華子
兵役に父を盗られた子どもです小さな天使に代はり署名す
桜川冴子
除雪車の後をのろのろついてゆく我も諦念の列につらなり
齋藤芳生
身体ごとぶつかり踊るダンスフロアベトナム帰りの米兵(アメリカー)は痛い
山口德誠
漁師やめチッソに働く「会社ゆき」は水俣地方のエリートなりき
名護敬子
うくらいな 竪琴流し弾くごとき国の名をこよひ窓鎖して聞けり
鈴木加成太
春一番と一緒に飛んで行きそうな孫の縄跳び無限のパワー
森川冨士代
もう片手うごかぬ男が去年(こぞ)打ちし妻との棋譜を並べをりたり
塩野賴秀
図書館の机の裏に名前あり俗世を離れ生きむねがひか
坂井修一
UNIQLO製学校制服オンラインで買へる自分で選ぶ制服
古志 香
※( )内は前の語句のルビです。
|
|
|
|