告知板
ホーム
概要&入会案内
今月の内容
歌との出会い
さくやこのはな
かりん作品抄
時評
ライブラリー
リンク
会員ひろば
かりんネット歌会
お問い合わせ
 
 
 
宮部 堂郎 選  2026年02月号

作者自身の身に響く、射程の長い「問い」を感じられた歌を選びました。

吾子の手を離してしまひし一日(ひとひ)あり血栓のごとわが裡めぐる
江國梓

雨を待つこころのことを思いつつ山は崩るることもおもえり
酒田現

舌禍 うすくれないのセーターのその編み目より熱は洩れくる
辻聡之

あの「じゃあ」は「またね」かそれか「さよなら」か五叉路の先に肩まぎれゆく
大井学

夜空にはオリオンひとり大統領地上に何人ゐるか知らない
山﨑垂

路上にて生活するひとの横たわる長いトンネルのような段ボール
中山洋祐

ふりだしはつらくさびしい冬の雨、黒いネクタイ結ぶがごとし
檜垣実生

老眼鏡にルーペあてがひ書く背なか 母がゐなければ帰らぬ家か
松本典子

雪空のどれほどふかく手を入れてつかまうとしたのだらうか光を
渡辺松男

もの見えぬものを覚えぬ母なりき最後の握手かはせしは妻
坂井修一

※( )内は前の語句のルビ